今日の作業 またまたカスタムモデル修理

本日も有名店のカスタムモデル修理です。
点検に出されて帰って来たら、すぐに様子がおかしくなってお困りとのこと。

当店なら、万一そのようなことが起これば原因や責任の所在はともかくとして、まずは再度お預かりしますが、なぜかお客様は当店をご指名。

ツッコミどころ満載の画です。。
マイナスのブラシハーネスがアーマーチュアコアに干渉して、配線が削られてしまってます。

標準ですと、5.5スケ相当の配線のところ、こちらのエレキは2ランク上の太さである、14スケ。
狭いコムキャップハウジング内で安全に取り回せるはずもなく、お約束の事態に。
せいぜい8スケまでなら、この狭いとこでも何とかキレイに取り回せるのですが、14スケはちょっとムリですよ。
そもそもナゼ配線を太くすることを求められるのか、市販されてるエレキは大体どれも50アンペアがMAXの使用電流量です。
14スケは80アンペア位まで耐電流量ですから、明らかにオーバースペック、不必要です。
8スケなら50アンペアMAXですから、8スケより太いのは自己満足でしかない上に、この写真のようなトラブルの火種を抱えるだけですよ。

そしてそしてこちらのブラシ。

分解してからこの位置に来たのではありません。
組まれた状態で、ここにありました。
以前に組む際、ブラシのハウジングからスプリングに押し出されてしまい、誤った状態で組まれてました。
これも14スケというあまりに太い配線が邪魔をすることから引き起こされた、ヒューマンエラー。

今回動作不良の直接の原因となったのは、ハウジング内のマグネット剥離。
アーマーチュアコアの周りに本モデルだと4ピースある内の一つか剥がれて、アーマーチュアコアに干渉してました。

ハウジング側、マグネット側それぞれに残った接着剤をキレイに落とし、再度接着剤で固定します。

強力なマグネットですから、接着剤が完全に効くまでクランプでガッチリと緊縛プレイ。

今回の直接的な動作不良の原因ではなかったですが、冒頭の極太配線によるトラブル回避をお客様に報告し、とりあえず問題の箇所となるブラシからヘッドまでは一つ下の太さの8スケに引き直しして安全を計ることにしました。

これならアーマーチュアコアに当たらないように取り回せますし、ブラシカード上にビス止めする端子も、写真のように適切なサイズのものを当店ならちゃんと用意してあります。

端子って、皆さん結構テキトーに考えてると思うのですが、使う線径、止める相手のサイズにキチンと合った物を選ぶのが大切です。

最後に…。

点検の内容、お店やお客さんからの希望などで中身が違うとは思いますけど、モーターを分解してるのならば、当店ならここは必ずチェックしますけどね~。
こんなの、シール利かなくなる直前ですよ。