今日の作業は大変珍しい日本未発売のあのモデルのシャフトカットです。
もちろん、私も初めて目にするモデルですので、手探りでの作業となりましたが
結論から言えば、大変シンプルな構造でしたので問題なく作業ができました。
■モーターガイドW55 シャフトカット
モーターガイドの06年カタログから掲載のあるリモートコントローラー式の
バウ取り付けエレキです、ステアリング動作、モーターの回転ともに
リモコンで制御を行うタイプで、古くからこの手のモデルは存在してますが
近年のソルトウォーター分野ではこのタイプが主流になってるようです。
今回はリザーバーでのレンタルローボートでの使用メインとのことで
標準の48インチを36インチへ12インチ(約30センチ)カット加工と言う事で
作業を承りました。
まあ先行してるミンコタのAP/PDとデザインはよく似てますね。
またもピンボケ写真すみません…
良いと思われる点
1.ロック解除はレバー方式 ミンコタAP/PDよりしっかりしてそう
良いと思われる点
2.モーター部のホールド性 ここもミンコタAP/PDよりしっかりしてそう
作業開始です。
ヘッド部を分解、配線を一旦カットしてヘッドカバー上下とシャフトから
外すと、マウント部とシャフト部を分離できます。
良いと思われる点
3.なんと船体取付けのワンタッチ取付けプレートが標準装備
ミンコタ社は別途オプションです、しかも結構高いです
良くないと思われる点
1.取って付けたようなリモコン受信アンテナ…
こんなアンテナ有っても無くても一緒でしょ?ミンコタAP/PDのオプションの
COPILOTシステムには、こんな余計な突起アンテナありません
シャフトカットを行うためにはシャフト内部を通る配線を保護するため
一旦モーター部を分解して配線を抜き取っての加工作業となります。
ブラシの相手側端子、コミュテータなんですが長い!
ブラシも当然デカイ!
ブラシホルダーを外して奥を見るとなにやら空洞があって窓もあります。
この奥に一体何が…好奇心をそそりますが、何もありませんでした。
後で調べてみたら、どうやらOPか何かで魚探の振動子をビルトインした
モデルがあるようで、そのための空洞+窓のようです。
良くないと思われる点
2.コーンハウジングがなぜかプラスチック製
航行時に障害物などあると真っ先にヒットしてダメージを受けるコーン部だけが
なぜかプラスチック製、もちろん中は空洞ですから割れたりすると浸水の原因
となるでしょう。これはいけないですね。
シャフトから配線を抜くことができたら、あとは物理的にシャフトをカット
する加工作業に入ります。
良いと思われる点
4.シャフトの肉厚がミンコタ社製品より厚い!
カタログによれば、ミンコタのシャフトより33%厚みがあるそうです。
まあどっちにしても、この手の樹脂コンポジットシャフトは強度が無い
ですから、ちょっと力がかかるような使い方をすれば、ポキっと折れるものです。
特にバスボート系の24V以上の大型エレキ、アルミボートでもボートに
付けっぱなしでトレーラーで運搬してるような場合、普段の使い方や運搬
途中の振動などから各部品が緩んで、結果としてシャフトを痛めやすく、
ある日突然、ポキっと折れてしまいますよ。
その辺はロッドとかと同じですね。
曲がることはあっても決して折れないステンレスシャフトの方が安心です。
良くないと思われる点
3.シャフトとヘッドカバーベースの固定ネジ
でっかいビス頭と、相手側の袋ナットが出っ張って、見た目があまり
よろしくないですね、ミンコタAP/PDの方が多少、スマートでした。
カットしたシャフトに、ヘッドカバーベースを固定するビス穴用の穴を
開ける作業です、位置を決めてしっかり、まっすぐに穴を開けます。
決して失敗が許されない作業です。
このW55というモデルですがアメリカでの実売価格が約540ドルほどで
ミンコタの淡水用パワードライブモデル(APなし)にオプションリモコンの
COPILOTと船体固定用のワンタッチプレートを付けた価格、
480ドル+150ドル+40ドルよりかなり割安感がある値段設定となってます。
ミンコタAP/PDはワイヤレスシステムでの市場を大きくリードしてきてますが
以前モーターガイドもレーザーシリーズというワイヤレス式のエレキを
販売していましたが、誤作動、故障が多くすぐに廃盤となってしまい、以後
この分野はユーザーの意識もミンコタ一辺倒となってしまったという因縁も
あり、今後モーターガイドがどう攻めてくるか、楽しみです。
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